2012-01-01から1年間の記事一覧

ジョンとムンクの叫び 〜ガリレイの生涯〜

『ムンクの叫び』の左側の二人にたいしては In my life を、波打つ叫びの風景に Nowhere man を歌ったジョン・レノンだったと思えてくるんだよね。 するとアルバム『ラバーソウル』の二曲にたいする前アルバム『ヘルプ!』の It's only love は微妙なんだ。 B…

思い込み解説者の御気分 〜どっちが『すっぱい葡萄』?〜

無神論者 『神様がいると思い込みたいんだね?』有神論者 『神様がいないと思い込みたいんだ』 思い込み解説者になっている時の御気分と、思い込みと決めつけられた時の気分。 解説する奴とされる奴。 『その双方の気分について詳しく知っている者がいるか?…

全知の神様 〜嘘から出る真実〜

私は『神様はいる』とします。 えっ?『デタラメを言うな!』って? しかし、もし誰かが私のデタラメについて本当にわかるとしても、彼らが知るよりももっと詳しく、私のデタラメ具合について知っている本物の神様がいると思います。もちろん、神様を信じた…

アインシュタインの『神様』 〜知識社会学的な有神論〜

マックス・ボルンへの手紙 (1926) の『神はサイコロを振らない』、 そして電信質問にたいする返答 (1929) の『スピノザの神なら信じる』より、アインシュタインのおおよその『神様』の見方が伺えます。一方、フランスの社会学者コントは、宗教的段階、形而上…

金環日食に見る現実認識 〜歴史的経過と普遍的法則〜

本日は、無事に金環日食が見られて、とてもうれしかった。きっと科学者の【普遍的な法則】によるバッチリな計算が予告してくださった結果であろう。ところで我々は、本日の金環日食の情報を、それぞれどこから得たのでありましょうか?各人はそれぞれ異なっ…

1953年 〜見るも語らず〜

日本天皇、英国訪問で、君主制のあり方を思う。 エリザベス二世の戴冠式と映画『ローマの休日』は、同じ1953年であった。エリザベス女王 (1558-1603) の video et taceo 『見るも語らず』に、日本の天皇を見る。思えば、被災地訪問の天皇の膝に、伝統外しの…

保守主義がわからなければ、全体が見えない 〜バークと知識社会学〜

『保守主義』って言うのがわからないと、全体が見えるようにならないんだよね。別に保守派を擁護するために改新派に説教しようとしているじゃなくて、保守主義の全体内の位置を見極める必要性のことなんだ。むしろ保守派の側にも『おまえら、全体内保守主義…

発達障害は愛情不足? 〜何やってんの?心理学者って〜

大阪市では『親の愛情不足で発達障害』という雰囲気の条例案とやらにたいして、お叱りツィートが届けられたらしい。さすがは、橋下市長。『ご意見は理あり。市民に義務を課すのは基本的に好きではない。』とコメントだ。そもそも発達障害の原因を親に結びつ…

『40−32÷2=4!』の社会学 〜問題作成者の気持ち〜

問題『40−32÷2=?』小学生『4!』理系『よくわかってんじゃん?』文系『やっぱ小学生では、わからなかったか〜w』 何かネットで話題になってた問題らしいけど、なかなか作成者した人物も世の中、洞察しているね。数学的に『4!』は階乗を意味する『4×3×2×1=…

自我と自己の違い

我々は各人さまざまの知識を持っています。たとえば学校で学んだもの、知り合いとの交流から学んだものなどと、色んな知識が蓄積されている訳です。しかし『我々人間がどのように知識を持っているのか?』という問題について、他者が抱いている知識状態に限…

ポジティブ性無力感 〜ポジティブ心理学批判〜

【学習性無力感】長期にわたってストレス回避の困難な環境に置かれた人は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなること。 【ポジティブ性無力感】長期にわたってポジティブ心理学からの回避が困難な環境に置かれた人は、そのポジティブ心理学から逃…

資本主義起源論(8) 〜 「自由」 による権限作り〜

前回 (7)、前々回 (6) と、ハイエクが二つの自由観に触れ消極的自由観の側を採用した点について述べてきましたが、私もそれに賛同します。私が積極的自由観を採用しない理由としましては、それぞれ個人が自由の力を出し合う場を社会と前提しながら、ただひた…

資本主義起源論(7) 〜社会契約論と自由観〜

オーストリア学派のメンガーやシュンペーターが経済学を独立的に体系化しようとしたことにたいして、ハイエクは再び歴史主義の領域を若干でも回復しようと、ルッジェロ、バーリンが示した二つの自由観を取り入れました。そこで私が思う【二つの自由観】につ…

資本主義起源論(6) 〜限界効用理論とイノベーション〜

前回は後進資本主義のドイツで生じたマルクスの理論が、イギリスの社会契約論的考え方を追いやりつつ、労働者側の立場から見た資本使用者の【搾取】を示していたことについて述べてみました。しかしその労使間の【搾取】(1867?) を強調しすぎたマルクス主義…

資本主義起源論(5) 〜剰余価値説批判〜

社会学派の私にはちょいと難しいのだが、経済学には【剰余価値】という概念があるらしい。それはマルクスの名を通して聞いたことがある言葉なのだが、調べによると、すでにイギリスのアダム・スミスやリカードらによって触れられていたものでもあるらしい。し…

資本主義起源論(4) 〜国家理性と社会契約〜

さてマキャベリのイタリアをドイツと比べますと、ルターのような内面信仰へ向かうプロテスタント精神はなかったように思えます。それはまるで、幾ら内面を鍛えたところで目まぐるしい降りかかってくる世俗的な外圧にたいしては意味がないと考えてなのでしょ…

資本主義起源論(3) 〜マキャベリとルター〜

イタリアのマキャベリ (1469-1527) とドイツのルター (1482-1546) は、ほぼ同時期に生存した二人である。まずルターが教皇レオ10世の免罪符販売を問題にしたことは教科書的な世界史レベルでも広く知れ渡っている事柄でありますが、そこでマキャベリズムを無…

資本主義起源論(2) 〜起源時と浸透後〜

さてウェーバーの 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」 を基調として資本主義起源論を追求していこうと思っていたわけでありましたが、そもそも 『資本主義』という日本語における概念自体が、何か欧米とは異なった方向に向いている感じがするので…

資本主義起源論(1) 〜ウェーバーの 「プロテスタンティズムの倫理」

M.ウェーバーの名著として知られている 「ブロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」1905 から、資本主義についての考察をしたいと思います。まずは当書の私的概要を説明を試みるために、目次について記しておきましょう。 第一章 問題の提起一) 信仰と社…