ジョンとムンクの叫び 〜ガリレイの生涯〜
『ムンクの叫び』の左側の二人にたいしては In my life を、波打つ叫びの風景に Nowhere man を歌ったジョン・レノンだったと思えてくるんだよね。
するとアルバム『ラバーソウル』の二曲にたいする前アルバム『ヘルプ!』の It's only love は微妙なんだ。
But it's so hard loving you!
それは In my life の二人へ向けて歌っていたのか、それとも Nowhere man の叫びへ向かって歌っていたのかってね。
明らかにボブ・ディランが『ムンクの叫び』を理解していると感じていた時期のジョンだったろうから、微妙だったんだよ。
やかて Imagine へ向かうに従い、Nowhere man の立場から In my life へ向けて歌うようになったジョンであろうね。
たとえれば天動説者の『二人』と地動説者の『叫び』さ。
何だか、ブレヒト『ガリレイの生涯』とアイスキュロスの『縛られたプロメテウス』が聞こえてくるようだ。
光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
『のどけき』の In my life に、『散る』の Nowhere man 。
Would the people in the cheap seats clap your hands? And the rest of you, if you'll just rattle your jewelry.
誰が『ノルウェーの橋』を書くか、それが問題だ ……