神様はひとりぼっち

私もあれこれ旅をして来ましたが、どうやら神様はいるようだ。

しかも神様とやらは、一人らしい。

何やら人々が「神がいるとか、いないとか」と争ったり、あるいはそれぞれ各人が信じる神をもとに、宗教戦争など起こしたことも、じっと一人で眺めていたと、私は聞いている。

もちろん、「今、ここ」の状況もすべて見つめているらしいから、たいした者だと想像できる。

全く神様もそれだけの偉大な能力をお持ちであるならば、いい加減、見てばかりいないで姿を現し、僕らのいざこざをきっちりと仕切って貰いたいと思うのだが、それは無理らしい。

神様は、きっと、とても恥ずかしがり屋な女神でありましょう。しかも人間が女神様自身のことを疎かに暮らしている間は、いざこざが絶えないようにと、はじめから人間自体をそのように作って置いたと思います。

私の結論が出ました。

神様は、いくら我々があたりを探そうとも姿を見せないほどに恥ずかしがり屋で、しかも我々が知らんぷりをしていれば混乱が生じるよう巧妙に策略を凝らしたほどに寂しがり屋なのであります。